2024年11月に施行される「フリーランス新法」 について解説します。
この法律は、フリーランスを取り巻く環境を大きく変えるものです。「罰金50万円!?」「偽装フリーランスの歯止めになる?」など、気になるテーマを分かりやすく解説していきます!
フリーランス新法の背景:なぜ今?

フリーランス新法が作られた背景には、フリーランス人口の急増があります。最近の統計によると、日本のフリーランス人口は400万人〜500万人と言われています。ただし、フリーランスの定義は曖昧で、正確な人数は把握されていません。それでも、間違いなくフリーランスという働き方は増えていますよね。
フリーランス急増の理由
- インターネットの普及:オンラインで仕事を見つけやすくなった。
- 副業の解禁:会社員が副業でフリーランスを始めるケースが増加。
- リモートワークの浸透:場所を選ばない働き方が可能に。
- 定年後の働き方:定年後にフリーランスとして契約するシニア層の増加。
さらに、企業側の事情も影響しています。社会保険料や消費税の負担増が続く中、**中小企業が人件費削減のために「社員→フリーランス化」**を進めているのです。
偽装フリーランス問題とは?
「偽装フリーランス」とは、形式上は業務委託契約でフリーランスとして働いているものの、実態は社員と変わらない働き方を強いられているケースのことです。これが大きな社会問題になっています。
会社員とフリーランスの違い
項目 | 会社員 | フリーランス |
---|---|---|
契約形態 | 雇用契約 | 業務委託契約 |
働き方 | 会社の指揮命令下で働く | 自由 |
労働時間 | 週40時間規制 | 自由 |
有給休暇・最低賃金 | 法律で保障 | なし |
社会保険 | 健康保険・厚生年金(会社と折半) | 国民健康保険・国民年金(全額自己負担) |
税金 | 年末調整(会社が処理) | 確定申告 |
偽装フリーランスの例
- 契約は業務委託だが、実際は会社の指揮命令に従う。
- 労働時間の規制がないため、残業させられ放題。
- 有給や最低賃金、社会保険が適用されない。
政府はこうした問題を改善するため、「インボイス制度」や「フリーランス新法」を導入しました。
インボイス制度で何が変わる?
インボイス制度は消費税の仕組みに関する制度ですが、偽装フリーランス対策としても注目されています。
- 企業の節税対策に規制を導入
- フリーランスがインボイス登録をしていない場合、企業は消費税の控除を受けられません。
- そのため、節税目的でフリーランス化する企業が減少する可能性があります。
ただし、フリーランス全員がインボイス登録をするわけではないため、完全な対策にはなりません。
フリーランス新法とは?
2024年11月に施行される「フリーランス新法」は、フリーランスと企業の取引を規制する法律です。特に偽装フリーランスを減らすことを目的としています。
法律のポイント
- 取引条件の明示
- 取引時に「納期」「報酬額」「支払期日」などを書面またはメールで明示することが義務付けられます。
- 支払期日の厳守
- 報酬の支払いは、契約日から最長60日以内に行う必要があります。
- ハラスメント対策
- 発注側にハラスメント防止の責任を負わせるルールが追加されました。
長期間の契約には追加義務
- 1ヶ月以上の業務委託
- 報酬減額や契約の中途解約など、不当な行為を禁止。
- 6ヶ月以上の業務委託
- 育児や介護との両立に配慮する義務を課す。
違反した場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
フリーランス新法の注意点と悪用リスク
一方で、この法律を逆手に取る企業やアドバイザーも出てくるかもしれません。
悪用の例
- フリーランスは経費を使えるから有利と説得し、正社員からフリーランスに切り替える。
- 報酬を変えずに業務委託化し、企業側の負担を減らす。
しかし、実際のところフリーランスになることで税金や社会保険料の負担が増えるため、報酬が1.3倍以上でなければ割に合わないケースが多いのです。
まとめ:フリーランス新法で守られる側になるために
フリーランス新法は、フリーランスを守るための法律ですが、その仕組みを正しく理解し、企業の不当な行為に対抗する力をつけることが大切です。
- 契約時には必ず条件を明確にし、不利な取引を防ぎましょう。
- 違反があった場合は、行政機関やフリーランストラブル相談窓口に相談することをおすすめします。
今後、政府はさらに最低賃金や社会保険の導入など、フリーランスの環境を整える動きを進める予定です。最新情報をキャッチし、備えておきましょう!
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