e-Taxの正式名称は「国税電子申告・納税システム」です。
これは、国税庁が運営するインターネットを利用した電子申告・納税のためのシステムで、2004年に導入されました。従来の手書き申告や郵送手続きが不要になり、自宅やオフィスから手続きができるため、多くの事業主やフリーランスにとって利便性の高い仕組みです。
e-Taxの特徴
e-Taxの最大の特徴は、年度末の確定申告をインターネット上で行える点です。手書きで確定申告用紙を作成したり、税務署に出向いて提出したりする手間が省けます。スマートフォンやパソコンからデータを入力して作成し、そのままオンラインで提出が可能です。
e-Taxでできること
e-Taxを使えば、以下のような税関連の手続きがインターネット上で行えます:
- 年度末の確定申告
- 各種税金の納税
- 例:所得税、法人税、消費税、相続税など
- 「ダイレクト納付」や「インターネットバンキング」で支払いが可能です。
- 税務署への申請・届出
- 例:「個人事業の開業届出」や「青色申告承認申請書」などもオンラインで提出可能。
これらの手続きがオンラインで完結するため、時間や労力を大幅に削減できます。
e-Taxを利用するメリット

e-Taxを使うことで、以下のような具体的なメリットが得られます:
1. 作成や提出が簡単・スムーズに
- パソコンやスマホでデータを入力するだけなので、書類の誤字や脱字も簡単に修正可能です。
- 医療費控除の領収書や源泉徴収票などの原本書類は、提出や提示を省略できます(保管義務はあり)。
- 完成した申告書はオンラインでそのまま提出できるため、税務署に行く手間が不要です。
2. 早めの申告が可能
確定申告の受付期間は毎年2月16日~3月15日ですが、e-Taxを利用すれば1月上旬から申告ができます。早めに申告を済ませたい方にとっては、大きなメリットです。
3. 還付がスピーディー
税金の還付を早く受けたい場合も、e-Taxは便利です。申告が1~2月であれば2~3週間、3月でも3~4週間程度で還付されます。
4. 青色申告特別控除が10万円増額
e-Taxを利用すると、青色申告特別控除が55万円→65万円に増額されます。この制度は令和2年分(2020年分)以降の確定申告から適用され、電子申告や電子帳簿保存の普及を進めるために導入されました。
65万円の控除を受けるには、以下の条件を満たす必要があります:
- 正規の簿記(複式簿記)で記帳していること。
- e-Taxを通じて申告書を提出すること。
- 提出期限内(通常は3月15日)に申告すること。
例えば、課税所得500万円の方の場合、所得税率20%を基に計算すると、控除額が10万円増えることで2万円の節税効果が得られます。
e-Taxを使った確定申告の方法
e-Taxの利用方法には、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つがあります。それぞれの準備について解説します。
1. マイナンバーカード方式
- 必要なもの:マイナンバーカード、ICカードリーダー
- 事前準備がほぼ不要で、すぐに利用を開始できます。
2. ID・パスワード方式
- 必要なもの:税務署で取得する利用者識別番号(ID)と暗証番号
- 税務署に出向いて「電子申告等開始届出書」を提出する必要があります。
まとめ
e-Taxは、確定申告の手間を大幅に軽減し、還付や控除額の増額といった金銭的メリットまで得られる便利なシステムです。特に青色申告者にとっては、10万円分の控除増額は見逃せません。
初めて利用する方にとっては少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、一度使い始めればその利便性を実感できます。今年からぜひ、e-Taxを活用してスムーズな確定申告を行ってみてはいかがでしょうか?
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